2016年6月24日金曜日

【インセインシナリオ】 山の祭り

笛の音が聞こえる。太鼓の音が遠く響く
山間の町、響き渡る祭りの音
狐のお面、黄昏時にずらりと並ぶ提燈の明かり
あかいあかいりんご飴
廃村のはずの故郷の寺

懐かしさに誘われて立ち入ると、狐面がいっせいに振り返る

インセインシナリオ
【山の祭り】

お祭りの中で出会う人は誰?


シナリオタイプ:特殊型
ワールドセッティング:本当は怖い現代日本
プレイヤー人数:4名
サイクル数:3
狂気カードの枚数:18枚


PC1
推奨:特になし

突然の事故はであなたの大切な人は亡くなった。
悲しみを癒そうと歩くうちに、あなたは知っている村の近くへを通りかかった
人が居なくなったと聞いていたが、村は今、祭りをしているようだ
ここでなら気持ちも多少は和らぐだろうか?
あなたの【使命】は悲しみを癒す事である。

PC2
推奨:特になし

あなたはPC3に頼まれ、この村の祭りを一緒に調査しに来た
廃村になったはずの村の祭りがまだ続いていて、彼岸の頃になると昔のままのその姿で現れるらしい
この村の出身の人間の仕業なのか、それとも・・・
【あなたの使命】はこの祭りの実態を調べることである。

PC3
推奨:特になし

廃村になり、誰も居なくなったはずのこの村
「消えた村でいまだに行われる呪われた祭り」そんな噂を聞いた
誰かが村に戻ってきているのだろうか?それとも誰かがいたずらしてるのだろうか?
居ても立ってもいられずあなたは親しい友人であるPC2に同行を求めてこの村にきた
【あなたの使命】は、この祭りの実態を調べることである。

PC4
推奨:特になし

あなたはPC3に頼まれ車を出してここまで来た。
「消えた村で行われる呪われた祭り」の噂の舞台が自分の出身の村だという事を知った
かつて自分が居た村が面白おかしく騒ぎ立てられるのには心が痛む
あなたの【使命】は村の潔白を証明する事である


共演者
四方 七生(ヨモカタ ナオ)
※PC1が指定した性別となります。
あなたはPC1の友人だ
PC1の大切な人が死んでしまった事故の時も一緒にいた
大切な人をなくしたPC1の悲しみは見ていて痛いほどである。
昔住んでいた奇妙な風習の残る田舎の近くまで来てしまったが、
長閑なこの辺りならばきっと落ち着いて考えられるだろう
【あなたの使命】は、この旅でPC1悲しみを少しでも癒すことである。


【シナリオ設定】
村は四方村(ヨモムラ)という村で、大きな神社が中心となりできあがった村でした
桃が特産品の、夜喪祭(よもまつり)という特徴のある祭りを開催していた村でしたが、5年前の統廃合により登記上は廃村となっています
PC達はこの村と思われる都市伝説めいた怪談を耳にする事から、実際に何が起こっているのかを調べに村へと行った所からシナリオはスタートします。

夜喪祭(よもまつり)とは、黄昏時に本祭が行われ、その本祭の際には狐面を必ず被り、声を絶対に出してはならないという奇祭でした
ただ、祭りに参加すると懐かしい祖先に必ず会えると言われている逸話があった事を覚えています。
灯りも人工灯を使用してはならないとして、祭りの日だけは蝋燭や篝火が焚かれていました



これより下はシナリオ内容となります
プレイヤーを希望の方は読まないでください




【村設定】 


もともと四方村は黄泉村であり、あの世とこの世との境目にあると言われていた村です
神社がメインの村であり、黄泉路を通る者に逢わせるという祭りと、黄泉路を閉じ触りを起こさない様にするという目的に設置された村でありました。
四方村は黄泉村のもじりであり、四方の村より祭られている村であると言う事と、
ここから呼びかけると四方へと声が届き、死者に届くとされているから来ています。
世界大戦の廃仏毀釈や統合の際に、四方祭(夜喪祭)の秘が漏れる事を嫌い隠され、いつしか孤立し、村の氏子衆も戦争の荒波と時代の波に飲まれその数を減らし、ついには廃村となってしまいました。

・四方村は黄泉路を辿り神社奥の岩戸をくぐる事でこの世に現れることができます
現在、この扉は閉められる事無く開け放たれており、死者の移動が自由の状態となっております
この道の存在は村民のみ知り得ていることであり、現状ここから出てきているのは元村民です
強く思い呼びかければ誰でも黄泉の国より呼び出すことが出来るでしょう
また、扉が開け放たれているため、ヨモツシコメも村へと出てきています
生者を見つけると襲い掛かり、黄泉路へと連れて行きます。
これは捕食行動であり、ヨモツシコメは常に飢えており、精神力を吸い取ってゆくためです
死者はヨモツイクサと呼ばれる存在で、ヨモツシコメの命令には逆らえません
そして、開け放たれ続けている為に『穢れ』が充満しており、精神力を削られ、狂気を抱えるようになります。


・神社の前には無数の狐面が掛けてあります。
祭りの日にはこの狐面を全員がつけなければなりませんでした。
それは、この神社は稲荷神社であり、死より生を転じさせる仮生(けしょう)の為に祭神の霊験の籠ったその狐面を付ける事により、生者と変わらぬ姿を取ることが出来ます。
仮生である狐面が取れた場合は、そのままの死者の魂が表にさらされます。
それは腐敗により爛れた姿であり、生きている者なら本能的に嫌悪感を感じてしまう姿でしょう。
その嫌悪感に例外はありません。
感情ではなく、肉体的に忌避するものと思ってください
この狐面を被る事によりヨモツシコメの目からも生と死の区別がつかない状態へとなります。


【祭りの情報】

祭りの様子は全員が知っています。
本祭以外は普通のお祭りなのですが
本祭の日には時には全員が狐面をつけ、神事が行われる夕方以降は絶対に話してはならないという決まりになっています。
選ばれた人間だけが宮へと篭り、村特産の桃を捧げて0時まで岩戸を開け放ち
その間は、無言の還人祭りが行われるのです
岩戸は黄泉の国へと繋がっており、村人やこの神社を奉る人間はここより黄泉の国へと旅立ち
一年に一度、還人祭りの間に子孫や村の様子を見に帰ることができる。と言われています
帰った人たちが驚かないように、そして、かつての黄泉の故事の如く争いが起こらないように狐の面を被り、無言を貫き交わりを最小限にするためと言い伝えられております。

以上の情報を全員が共有しています
儀式を体験しているPC2も、受動的な立場であった事から同程度の知識しかありません。


【事件概要】

廃村を控えた祭りの日、一人の民俗学者の青年がこの村を訪れていました。
奇祭を聞きつけてそれを論文へとまとめようとしていたのですが、功を焦って当日の朝に岩戸を開け放ちました。
好奇心の声と全くの無防備な状態での岩戸を開け放った為にヨモツシコメが飛び出し、村は混乱し、混乱のうちに『穢れ』による効果で、一般人であった村人は狂気をそれぞれに獲得、精神点を減らした結果、錯乱状態へと陥りました
PC3の想い人はその時に分家にて、錯乱した村長に鉈で殺害されています。
PC4はその様子は見てはいませんが、錯乱した村の様子は知っています。

・一方、PC1と大切な人ですが、事故にあい、大切な人は死んでいます
PC1と四方七生も同じ事故にあい、PC1のみが命を取り留めました。




【シナリオ導入】



導入1:噂

シーン登場:全員(それぞれの生活の場所で)

四方村と言う名がインターネットの匿名掲示板で取りざたされていると言う事を聞きます
一部のテレビにも取り上げられ、都市伝説となっているようです
内容は
・「山間の村に毎夜祭りが行われている風景が見える。その風景を見ると懐かしさに誘われ、そのまま帰ってこなくなる。 その祭りを見ると、誘われた人間が永遠にその祭りに参加している」と言う形
・「祭りの中に女が居て凄い形相で追いかけてくる。何とか逃げ帰ったが一人が戻ってこなかった。そいつは今でも行方不明だ」と言う形
・「ちょっと話題の四方村行ってきます」から始まる行方不明になる実況風
等に分かれているようだが、村の名前と祭りをやっていると言う事、そして、祭りの形式(狐面をつけている、祭囃子以外の音が聞こえない)
が以前行われていたあなた達が知っている祭りそのものでした。

その噂は、あなたたちの耳にも入っていました

そして、導入:2へと続きます


導入2:黄泉平坂

マスターシーン

シーンプレイヤー:PC1

ぼんやりと歩く薄暗い道、誰かの後ろをついて歩いていたと思ったら、昔懐かしい村へとたどり着いて居たようです。
人が居なくなったと聞いていたのですが、お祭りの笙の音と太鼓の低い音が聞こえてきます
ふと見上げると、行燈の灯りが見え、神社が祭りの雰囲気に包まれていることに気が付きます
フラフラと誘われるように神社へと続く階段を登るあなたを追いかけるように共演者も続きます
(※この時、PC1の目には大切な人が上がって行く図が見えます。演出してもしなくてもかまいません。)
村との境、桃の木の立つあぜ道に一人の男の人が居ることに気が付きます
その人は懐かし気にあなたを見つめ話しかけてきます
「お帰り。この先に行く気かね?」
あなたはこの男を見たことはありません。しかしなぜか、とても懐かしい気持ちがします
「あなたはまだお戻りになれる。しかし、進まれるおつもりかな?」とPC1をまっすぐに見つめて語り掛けてきます。
プレイヤーが先に行くと伝えると
「ならば、女に捕まりなさるな、戻れなくなりますからな」
そんな不思議な言葉を二人にかけてきます。

※名を訪ねれば意富加(オオカ)と答えます。もちろん、プレイヤーたちは記憶にありません。彼は桃の木の根元に置かれた道祖神です。
※PC1は生きていますが、共演者は既に死亡して居ます。なので死へと続くこの先からは儀式を行わない限り戻れません。それを揶揄して居ます
※道祖神は動くことが出来ないため、
1.ヨモツシコメが逃げ出して居る事
2.ヨモツイクサ(死人)達が溢れ出して祭りが続いて居る事
しかわかっていません。
彼は境界を守ると言う誓約の元に生と死の狭間に居て、生きる者の手助けをする事しかできません。

彼の元を過ぎ、少し生い茂った草木に荒れた薄暗い石段を上がると、赤みを帯びた灯が鳥居の両方に照る神社の入口へとたどり着きます
まだ日が残る夕暮れ時、空の赤か、それとも灯りの赤なのか
不吉なような、心休まるようなそんな不思議な気持ちになる灯篭の灯りに照らされた神社に、狐面の人々は音もなく行き集い祭りの支度をしているようです
鳥居をくぐると
村人たちは君たちの方へと”ぐるり”と一斉に狐面に包まれた顔を向ける。

導入3:宵闇神楽

シーン登場:PC2、PC3、PC4

あなた達は記憶を頼りに車に乗って近くまで来ました。
車を乗り入れられる通路は雪崩れた跡があり、このまま車で進入すれば、崖下へと転落してしまうでしょう
この村には二箇所出入りできる道路があったのですが、ここと、もう一つは徒歩で登るルート(PC1,2が通った道)になります。

ルート1(PC1達の進入ルート)の場合、道祖神と桃の木が二人を出迎え、村からは懐かしい祭りの響きが聞こえてきます
ルート2、現在の道を車から降りて歩いて進む場合、荒廃した村と相対して光を湛える神社が遠くに見え、祭りの音がうっすらと聞こえます


ルート1
大きく回り込むことになったが、しっかりと舗装された道が残る村の入り口へとたどり着いた
見上げると神社が見える。
その姿は暮れかけた空の薄紫をバックに、優しい灯りに照らし出されている。
低く流れる祭囃子、緑と熱に混じる香の香り
ここから見ると全てが昔のままの姿に見える
あなた達は懐かしさから、道祖神の見守る道を一歩踏み出す
祭囃子がいっそう近くに聞こえ、香の匂いがいっそう強くなった気がした


ルート2
このまま車で進むことは無理だと判断したあなた達は車を横へ寄せて歩き出す。
見覚えのある道だが、植物が生い茂り、手入れされている気配はまるでない。
光のある神社の方角へと歩き出すが、途中で見える家々は荒れ果てて居る
中には黒いシミが広々と広がっている光景が見える家まである。
電気が来ている気配は全く無い。太陽が沈んでしまえば真っ暗で足元すらおぼつかなくなるだろう
生き物の気配が全くしない道を歩いていくと、祭りの音が大きくなってくる
車を降りてから香り続けていた匂いが、自然のものではなく、社から漂ってきているものだと言うことにも気が付く
大きな屋敷からなる集落、墓場、荒れた桃園を通り抜ければ社へ続く階段へと出る
暮れかかる空に朱色の鳥居が不気味に立ち尽くしている。


※匂いと音はヨモツイクサ達より出ている物(記憶であり、染みついた線香や供花の匂い)であり、生者にのみわかります。
※PC1は合流後に半覚醒となるために自覚し、共演者は己の死を知っている為に隠そうと分かって居る振りをします。
※ゾーキングは村の中身(ハンドアウト概要)等を描写してください。

導入4:神楽舞

シーン登場:全員

提灯の灯りが赤く輝く、灯篭の火が揺れる
その中で、仮面をつけていないあなた達は顔を合わせる
そう、ここは四方神社境内。下を見下ろせば集落が見える
小さな村の小さな神社
気を許せば、小さなころに見た祭りの中にそのまま帰って来たような気持になる
懐かしい村、懐かしい、祭り、そして、見知った気がする狐面を付けた人々の姿

さあ
祭りが
はじまる

【四方神社】と【集落】のハンドアウトを公開する。



【四方家の蔵】及びシーン表12を振った時の演出


白い着物を引きずって女が来る
甘い匂い、消毒液の匂い、花の香、お香の香り、お酒の香、水の香、そしてそして、死の匂い
あの顔は見ちゃいけない、酷く恐ろしいに決まっているから
あの顔は見ちゃいけない、酷く美しいに決まっているから
何にも知らないはずなのに、そんな確信が君を襲う
ずる・・ずる・・・ずる・・・もうすぐ、側に来る
【死】で恐怖判定

→成功時
息を殺して女が通り過ぎるのを待つ、一瞬にも永遠にも思える瞬間
ふと視界のコマが飛んだように歪むと、女の姿は消えていた
あれはなんだったんだろう・・

→失敗時
声を出してはいけない。ダメだ、あいつに気が付かれてはいけない!
だが君は恐ろしさで目を離すことが出来ない
女の目が遠くに見える。瞳孔の開ききった真っ黒な瞳は、君を飲み込んでしまいそうだ。
「ヒッ」軽い息が喉に引っかかる程度の悲鳴が漏れてしまい、慌てて隠れて口を手で塞ぐ
わずかに目を離してしまった。そして再び女を確認する
居ないようだ。

安心して前を向くと、真っ暗な瞳が君の目の前にあった。
引き込まれる!そう思った瞬間にコマ送りのように女は消えた
君の何かを吸い込んだまま
生命力の上限が1減る。

【サイクル終了時処理】

1サイクル終了時に【穢れ】の影響を受け1の正気度を減らす。


【エンディング処理】

エンディングは儀式を行ったか、誰が生き返るのか、それとも生き返らないのかによって自由に行っていただいて結構です。
儀式は、生き返らせるとなっていますが、仮初の肉体に死んだ魂を入れる儀式です
死んだ魂は、この世での繋がりを持たない限りどんどんと自我が抜け落ちて行ってしまいます
仮初の肉体は成長をすることはありません。生体反応を返すことは出来ても、成長や変化はありません。傷を受けた場合、生きている人と同じ反応で塞がって行きます。指等が欠損したとしても生えてきます。変化はありません。現状を絶対に戻します。抜け毛はありませんが、剃れば伸びます。儀式の時に短い髪形だった場合は、いくら待ってもそれ以上伸びる事はありません。
それを踏まえて、描写をしていってください。


【ハンドアウト】

【プレイヤーハンドアウト】

PC1
推奨:特になし

突然の事故であなたの大切な人は亡くなった。
悲しみを癒そうと歩くうちに、あなたは知っている村の近くへを通りかかった
人が居なくなったと聞いていたが、村は今、祭りをしているようだ
ここでなら気持ちも多少は和らぐだろうか?


あなたの【使命】は悲しみを癒す事である。

【秘密】
ショック:なし

あなたは歩いてくる途中に亡くした大切な人の後姿を見た。
顔は分からなかったけれど
あの後姿、あの歩く癖、間違いないあの人だ!
居ても立ってもいられずに、あなたは追いかけて祭りの行われている村へと入った。
祭りの中で、大切な人を見つけられるような気がして・・・
あなたの【本当の使命】は、この村のどこかに居る大切な人を見つける事だ

※PC1には大切な人がどんな人か、七生との関係も具体的に設定して頂いてください。


PC2
推奨:特になし

あなたはPC3に頼まれ、この村の祭りを一緒に調査しに来た
廃村になったはずの村の祭りがまだ続いていて、彼岸の頃になると昔のままのその姿で現れるらしい
この村の出身の人間の仕業なのか、それとも・・・
【あなたの使命】はこの祭りの実態を調べることである。

【秘密】
ショック:全員

恐怖判定:死
自分は一度死んだ。
四方村の儀式で一度蘇り、そのまま二人で村を出て生きてきたのだ
儀式をした相手も死に、もはや縁が残るのはPC3だけになってしまった。
自分の全ての縁が無くなれば、1ヶ月程度で記憶は全て消える
その後は自らを見失いながら緩やかに朽ちてゆくと言う伝承を聞いた
自分がどうしていくのか、どうなっていくのか
あまりにも情報が少なすぎる
あなたの【本当の使命】は、村を調査し、儀式の内容を知ることである。

PC3
推奨:特になし

廃村になり、誰も居なくなったはずのこの村
「消えた村でいまだに行われる呪われた祭り」そんな噂を聞いた
誰かが村に戻ってきているのだろうか?それとも誰かがいたずらしてるのだろうか?
居ても立ってもいられずあなたは友人であるPC2とPC4に同行を求めてこの村にきた
【あなたの使命】は、この祭りの実態を調べることである。


【秘密】
ショック:なし

あの人は四方村に居た。絶対に会おうと約束をしたのは村が無くなる前の事だ。
しかし、いつまで経っても連絡は来ず、調べてみてもまるで消えてしまったかのように何もわからない
最後の手掛かりの場所として村が残った。
あなたの【本当の使命】は、「あの人の手掛かりを見つける事」だ。

※PC3はあの人の性別と関係性を決めてください。

PC4
推奨:特になし

あなたはPC2に頼まれ車を出してここまで来た。
「消えた村で行われる呪われた祭り」の噂の舞台が自分の出身の村だという事を知った
かつて自分が居た村が面白おかしく騒ぎ立てられるのには心が痛む
あなたの【使命】は村の潔白を証明する事である


【秘密】
ショック:全員

今のこの村の状況は、昔に聞いた伝承そのものだと思う。
祭りが失敗し、「ヨモツシコメ」と言う化け物が神社の奥から現れる時、大変な事が起きて村が滅びると言われていた。これを解決するには、誰かが生贄になりヨモツシコメを扉の向こうに誘い出して戸を閉めなければならないはず・・・
あなたの【本当の使命】は「村の現状を確かめる事」である。


共演者

四方 七生(ヨモカタ ナオ)
※PC1が指定した性別となります。
あなたはPC1の友人だ
PC1の大切な人が死んでしまった事故の時も一緒にいた
大切な人をなくしたPC1の悲しみは見ていて痛いほどである。
昔住んでいた奇妙な風習の残る田舎の近くまで来てしまったが、
長閑なこの辺りならばきっと落ち着いて考えられるだろう
【あなたの使命】は、この旅でPC1悲しみを少しでも癒すことである。


【秘密】
ショック:全員

恐怖判定:【霊魂】
あなたは事故で死んだ。
気が付いた時には病院で自分を見下ろして居たのだが、PC1はまだ助かりそうだった
しかし迷い出たPC1の魂がどこかに誘われるのを追いかけて、あなたもかつての故郷へとやってきたのだ
自分が死んでしまう前に、PC1に言い出せなかった気持ちをどうしても伝えたいその一心で
このセッション終了時にあなたは黄泉へと連れ去られる。その前に・・・
あなたの【本当の使命】は、PC1とプラスの感情を結ぶことである。

【場のハンドアウト】

※は公開タイミングです。

四方神社(よもじんじゃ)
祭りの会場である。
煌々と照る提灯の灯りに照りだされている
広々とした境内の中には本殿、社務所があり、
本殿へと続く正面通路には屋台などもちらほら設営されている
その中を村人が狐面を着け、みなそれぞれに祭りを楽しんでいる様子がうかがえる
面を付けないあなた達が側を通り過ぎると、じっとあなた方を見つめる


【秘密】
ショック:なし

拡散情報

本殿の奥には扉が設置してあり、その扉は地下へと続くような形になっているのが見える
社務所には無数の狐面が置かれている。
屋台にはりんごあめも売られているようだ
君たちは社務所の前で立て看板を見つける
『夜喪方用稲荷面はこちら』
ハンドアウト、【本殿】、【社務所】、【夜喪方】を公開する

※導入フェイズ終了後公開

【集落】
一番高い所に立つ立派な屋敷から下るようにして家々が並ぶ
生活感は無く薄汚れ、崩れ落ちそうになっている家もある
電気は通っている様子が無く、ガスやその他のライフラインも全て止まっている
外から見える家の中にはなにやら黒いシミがあるようにもみえる


【秘密】
ショック:調査したPC

拡散情報

家財を運び出され、きちんと清掃をされて計画的に出て行ったのであろう家もある
だが、住んでいた時そのままに家財が置かれいる家も見える
廃村となり人が出て行ったせいで荒廃が進んでいるが、明らかに人為的に壊されたのであろう跡が酷く残されている家屋が2つある
一つは、本家である【四方家】その横の分家であり村長の家であった【石戸家】だ
そしてもう一つ、四方家裏手には大きな蔵があった
【四方家】【石戸家】【四方家の蔵】のハンドアウトが公開される

※導入フェイズ終了後公開


本殿
四方神社の本殿である。
ろうそくの灯以外は明かりが無い状態で薄暗く見えにくいが、奥には石で出来た扉があり、それを囲うように作られた神社であることが分かる。
石の扉には無数の札が貼り付けてある。
扉は開いている


【秘密】
ショック:全員

岩戸の奥には無数の棺桶が並べられている空間が広がっている
そのさらに奥に開け放たれた扉があるようだ
棺桶の間を歩いていくと不思議な懐かしい香りが漂い鼻腔をつく
扉の入口に立ち奥を眺めると、今までの懐かしい思い出が駆け巡っていく
懐かしい声がする、優しい優しい声が無数に自分を呼んでいる
一歩、足を踏み入れようとするとあなたは気が付く『奥へと進めば、もう戻れない』
【死】で恐怖判定を行う。

※四方神社秘密公開後

【社務所】
ガラス窓がはめられた社務所は扉が開けられている
和蝋燭の明かりが照らす内部はぼんやりと照らし出され、おみくじ棚や書類棚が見て取れる
社務所横には朱色の棚があり、狐面が無数に掛けられている
【ご自由にお使いください】と書かれているので、希望する人間には狐面が受け取れる。


【秘密】
ショック:なし
内部は埃が積もっており、所々に赤黒いシミが飛び散っている
おみくじや道具類は全て残されており、移転された形跡はない。
宮司が書いたのであろうか、筆で書かかれた達筆の手紙が見つかる
プライズ【宛名のない手紙】と【儀式シート】黄泉がえりを手に入れる

※四方神社秘密公開後

【夜喪方】
祭りに居る、狐面を被った人間は全て夜喪方と呼ばれるようだ
すれ違う人々はみんな口を開かず、声を上げることも話すことも無い
どこから出てくるのか、どこに行くのか
あなた達の横を通り過ぎてはどこかへ消えていきどこからとも無く現れる
薄ぼんやりとした明かりの中ではそう見える


【秘密】
ショック:全員
見たことのある後ろ姿、見たことのある仕草
知っていても気が付かないようにしていたのかもしれない
狐面を被った人間はあなたが知っている人達だ
そう、会いたかった人だ。
あなたは気が付いてしまった。彼らが全員死んでいることに。
【霊魂】で恐怖判定を行う。



※四方神社秘密公開後


【宛名のない手紙】
宛名は無いが誰かに向けて出そうとされていたのであろう手紙
宮司の書であるらしく筆で書かれた達筆が伺える

※持っているものはいつでもこの秘密を見ることができる。


【秘密】
ショック:なし
手紙の中身はこう書かれている
『行方知れずの君にこの手紙が届くことを願っている。
 君を連れ出した人が死んだと風の便りに伝え聞いた。
 君はこのままでは彷徨う生ける屍となってしまうだろう
 村に帰ってくるがいい。君を本来あるべき世界へと送り出せるはずだ
 祭りの夜の夜明け前、そっと神社の岩戸をくぐりなさい。
 君一人ならあれも出ては来ないだろう
 もし、その気になれないのであれば、この世に君を思ってくれる人を作りなさい
 それが君を支え続けてくれるだろう。
 この村も人が居なくなる。私が残っている間に、帰ってくることを願っている。』

※社務所秘密公開後




【四方家】
村一番の大きな屋敷である。
ガラス戸は無残に破壊され、奥の間へ続く障子も引き倒されているので中に入らなくても、
箪笥の上から日本人形が静かにこちらを見据えているのが見える。
箪笥には何かを打ち付けたような刃物の跡が見える


【秘密】
ショック:全員

畳に突き刺さる鉈、飛び散る赤黒いシミ
刃物により半分に切断された障子
シミを考えれば、一人では済まされない数の生き物が血を流したと想像できる
死体や骨、肉といった物は何一つ落ちては居ない。
だが、何かしらの事件がここであったことは疑いようが無いだろう
【プライズ】大学生の手記が手に入る

※集落秘密公開後

【四方家の蔵】
入口には鍵はかかっておらず、開けようとするとすんなりと開く
内部は軽く見まわすと、書の類が乱雑に積み上げられ開けられており、誰かがここで何かを調べていた形跡が伺える


【秘密】
ショック:全員
蔵の中には人が居た。
隅に隠れるようにいる彼は、意識もまだらで動けないようだ
近寄ると腐臭が漂い、ズボンから出ているはずの足は途中で溶けるように無くなっている
あなた達が近寄ったことで彼の目が醒めたのだろうか、君たちを見て言う
「これ・・を・・・女に・・気を付けろ・・」
紙を手渡すと彼はまた微睡みの中に戻る、その表情は物凄く幸せそうだ
【第六感】で恐怖判定を行う
儀式シート【ヨモツシコメを還す】を手に入れる
 
※集落秘密公開後 

【石戸家】
四方家の横にある村長宅
大きさとしては劣るが作りは立派なものである。
入り口は閉められているが、引き戸の鍵は開いているようである
引き戸前には大量のシミがある。


【秘密】
ショック:PC3

刃物が振り回された痕がそこかしこに残るなか、一つのものが落ちていることに気が付く
それはPC3が大切な人に贈った、世界でたった一つの手作りのキーホルダーだ
無残に切り付けられ、真っ二つになり、赤黒いものに覆われている。
家の中も無数の暴力や狂気の痕が見て取れる。
この惨劇の中では、持ち主もまた無事で居られなかっただろうと気が付く。
【お守り】を一つ手に入れる。

※集落秘密公開後

【大学生手記全文】

卒論たるい。
祭り準備日15日


『昔々、あるところに猟師がおった
猟師は大変心優しかったため山神様にたいそう気に入られておった
ある日の事、猟師は雪崩れに巻き込まれてしんでしもうた。
大層悲しんだ山神様は黄泉へと続く坂道へと続く道を作り上げると、猟師を呼び戻し岩戸で封をした
帰ってきた猟師は大層驚いたが、山神様に感謝してこの岩戸を守ると約束したそうな
それ以来、この村は、死者へと声が届く村として岩戸を祭り続けるお祭りを続けているのです。』

狐面の祭り、沈黙の儀式
お盆としては特殊な形態ではある。
だが、ページを埋めきれるか?

神社の由来が書いてある物の中に夜喪孵り作法と書かれた物があった
「夜喪孵りを願うのであれば、狐面を被りて籠札(こめふだ)を岩戸へと押し付けるべし。
想い届けば札は落ちず、想い人を祭りに放つ
夜喪方を狐面付けて探れば想い人に辿り着かん」
裏には走り書きが残っている
『手を握り後ろを振り返ってはいけない
 夜明け前、祭りの終わりに道祖神を越える
 逢う人は多数でも孵るのは一人
 狐面を忘れてはいけない』


岩戸←開く?
黄泉の国へと続く

中身に秘仏か出入り口?

『祭りの終了時、死者に見立てた者を岩戸の前に立たせる
 これでヨミガエリが滞りなく行われると言われている。』
先導?

「ヨモツシコメは死屍たる者を寿ぎ穢れを喰らい、生と死を変転させる
死屍たるものを転じて生かし、神へと孵し
生きたるものを転じて死なせ、死屍へと成す
死屍へと転じし者はヨモツイクサとなりて坂を守る
彼のものを表に出さぬよう、籠札を岩に貼りて死屍を呼び
けして岩戸を開けぬようにすべし
開ければ黄泉の穢れが満ち溢れ、ヨモツシコメが現れる
この地は黄泉の一部となり、死地となる
ヨモツシコメに桃を捧げ、穢れ払いて戸を閉めるべし」

開けられていない内部、戸はそれほど重くない。
一人で開閉できそう

当日朝5時決行
暗い穴の中には棺桶が大量に置かれていて、奥にも扉があった。
戸は軽く開けてみると内部には暗く湿った、不思議と懐かしく感じるにおいに包まれていた
閉めようと思った瞬間に女が奥に見えた
全身の鳥肌が消えない。何であんなところに居るんだ?
通路がどこかに繋がっているのか?
恐ろしい速度で女は追いかけて来た
必死の想いで神社を飛び出し今これを書いてる
あれはなんだ?あんなもの見たことがない

その先は血に塗れて読むことは出来ない。

【ゾーキング等で夜喪方から探すと言われた時に出してください】

【あの人】
ゆらゆらと揺れる行燈の灯り
その中で見つける人

【秘密】
ショック:PC:3
その手に触れた瞬間に情景が浮かぶ
言い争う声が聞こえる
様子のおかしい住人たちを落ち着くように声をかけていると
鉈を振り回した村長が走ってくる
逃げ惑う姿、そして振り下ろされる鉈
唇から紡ぎだした最後の言葉が小さく聞こえる
「ごめんね・・・」
【情景】で恐怖判定を行う。


【大切な人】
ゆらゆらと揺れる行燈の灯り
その中で見つける人

【秘密】
ショック:PC1
手を触れようとすると突き返して、あなたの背を押す
すると、情景が浮かんでくる
霊安室に居る大切な人
そして、ベッドに横たわり機器にかこまれるあなた
そして、大切な人の横に眠る、七生の姿
【霊魂】で恐怖判定を行う


【相手】
ゆらゆらと揺れる行燈の灯り
その中で見つける人

【秘密】
ショック:PC2
相手はあなたの頬にそっと手を添える
あなたの脳裏に情景がよぎる
ふとした日常の一コマだったのだろう、あなたが気が付かなかった独白
「生きてほしい、ずっと、ずっと・・・」
縁(感情)を結び続ければ永遠に生きられる。
だから、わざと還る方法を教えなかった
たとえ残して逝くとしても
【愛】で恐怖判定を行う

【儀式シート類】


【儀式シート】
黄泉がえり
1.祭りの最中に死者を見つけ出し、縁(感情)を結ぶ
2.クライマックスフェイズに逃走判定以外の判定を行わない。
3.逃走判定を【死】で行い成功させる。
4.【我慢】の恐怖判定を行う。失敗すると途中で姿を見てしまい恐怖で手を放してしまいます。

4に失敗した場合、【愛】で再度判定することが可能ですが、1度のみです。


【儀式シート】
ヨモツシコメを還す
クライマックスフェイズまでに行う事。
1.血を生命力1点分捧げ、ヨモツシコメを境内へと呼び出す
2.呼び出されたヨモツシコメの手を取り、扉向こうへ行きますと宣言する。
3.儀式を行うものは戸を閉めるか閉めないかを決める事が出来る。
これはシーンを消費しない。
この儀式を行い、扉の向こうへ行ったキャラクターは黄泉へと旅立ち戻ることは出来ない。
扉を閉めた場合、穢れの影響は受けないが、黄泉がえりの儀式を行うこともできなくなる。


【エネミーデータ】

ヨモツシコメ
【死の運命】
脅威度:9 属性 怪異/現象 生命力 115
好奇心:怪異 特技《焼却》《電子機器》《薬品》《乗物》《時間》《死》
アビリティ【基本攻撃】 攻撃《乗物》
     【大暴れ】  攻撃《焼却》
     【トリック】 攻撃《電子機器》
     【死の猟犬】 装備 このエネミーに自分の【居所】を持たれているキャラクターは、各サイクルの終了時に【生命力】が1点減少する


ヨモツイクサ
【歩く死体】
脅威度 2 属性 怪異 生命力6
好奇心 暴力 特技 破壊、味 死
アビリティ 【基本攻撃】 攻撃 死
      【強打】 攻撃 破壊

【シーン表】

2:祭囃子の笛の音が、遠く暮れ行く空に消えていく。自分以外、誰も居ないような寂しさに襲われる
3:お祭りの中、すれ違う狐面の人々に見つめられる。戸惑いながら歩く先、曲がり角を曲がるあの人は見た覚えがあるような・・・?
4:灯篭の蝋燭の明かりが周りを照らし出している、ふと見ると影の数が合わないような・・・・
5:境内へと続く通りを赤い提灯が一列に並び照らしている。このまま進んだら、どこかに吸い込まれてしまいそうな感覚に陥る
6:赤い鳥居をくぐり村への階段を下りる、灯りが途絶えうっすらとした闇の中に見える村はまるで別世界のようだ
7:後ろから誰かに話しかけられた気がして振り返るが誰も居ない。とても懐かしい声を聞いた気がしたのだが・・
8:静まり返る家々の間に深い闇が沈む、カタリと音がなった気がして振り返ると、開いた扉の向こうから人形が見つめていた
9:昼間に見る森はあんなに輝いて見えるのに、夜に見る森はまるで蠢く巨大な生き物のようだ。飛び立つ音と共に何かが啼いた
10:屋台が並ぶ通りを歩く。金魚掬いにりんごあめ、的当てにひよこ釣り。赤いりんごあめを齧ると、血の味がした
11:社務所に並ぶ狐面、風もないのにカタカタと揺れているのは立て付けが悪いからだろうか?
12:女が居た。見た瞬間に思考が吹き飛ぶ。其れは見ては生らない、酷く清らかで、酷くおぞましいモノ。【死】で恐怖判定を行い、失敗した場合生命力の上限が-1

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